親和クリニック 総院長
音田 正光

大学を卒業後、一般外科、消化管外科、乳腺内分泌外科の臨床、および分子生物学、腫瘍学の研究に約十数年従事。その後、植毛手術を開始。
最初の5年間はFUSS手術をメインに執刀。症例数は約1,000例を超え、その後はFUE手術を行う。FUE手術の症例数は約2,000例にものぼる。
平成20年、採取に動力パンチを用いたFUE手術に関する論文を執筆。この分野における先駆的報告と評価される。
「ミノキシジルを使えば薄毛が治るの?」
「ミノキシジルは本当に効果があるの?副作用は?」
薄毛の悩みを抱えている方なら、「ミノキシジル」という言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。
しかし、ミノキシジルの効果や副作用、注意点について深く理解している方は少ないと思います。ミノキシジルは、使い方や購入方法を間違えてしまうと、思わぬリスクにさらされる可能性もあります。
そこで今回は、薄毛治療によく使われるミノキシジルについてわかりやすく解説していきます。
この記事を読めば、ミノキシジルのことや効果的な薄毛対策がわかります。
ミノキシジルは、1960年代にアメリカのアップジョン社(現在のファイザー)が降圧剤として開発した血管拡張薬の成分です。
ミノキシジルを内服すると、体内の血流が良くなるという効果があります。一方、副作用として体毛が濃くなるという症状が現れたため、脱毛症を回復する効果が見出されました。
そのため、アップジョン社は発毛剤への転用を行い、1980年代に薄毛や脱毛症の治療薬としてミノキシジル外用薬「Roaine(ロゲイン)」を販売しました。
ミノキシジルの外用薬は、日本でも認可されていて、発毛剤としての効果が認められている唯一の薬です。
ミノキシジルを使うことで、頭皮の毛細血管の血流を促進し、毛根の細胞が活性化、発毛と髪の成長が促されます。
ミノキシジルにはAGAの進行を抑制する効果はありません。
AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンのバランスの乱れによって引き起こされる病気です。一方、ミノキシジルは髪に栄養を送る毛細血管の流れを良くする効果があるだけなので、AGAを根本的に改善する効果はありません。
しかし、男性ホルモンのバランスを整える効果がある薄毛治療の内服薬(フィナステリドやデュタステリド)と併用することで、効果的な薄毛治療が可能となっています。
ミノキシジルだけでは、薄毛対策としては不十分です。AGAの進行を抑えたり、毛根が死滅した部分に毛を生やすことはできないからです。
最適な薄毛対策を行うには、薄毛治療の専門医に相談することが大切です。
ミノキシジル外用薬は、一般用医薬品として店頭やネットでも販売されています。ミノキシジル外用薬として有名な製品は、大正製薬の「リアップ」シリーズです。
一般用医薬品は、ミノキシジルの成分が5%までとされています。なぜなら、ミノキシジルの成分量が高いと副作用を起こす心配があるからです。
また、ミノキシジル単体にAGA治療の効果はなく、頭皮の血管を拡張して血流を改善することによる髪の成長促進の効果があるのみです。
そのため、AGAを根本的に改善するためには、内服薬治療を併用する必要があります。また、内服薬でも回復が難しい毛根の死滅部分に対しては、自毛植毛を行なう必要も出てきます。
つまり、ミノキシジルだけでは、薄毛対策としては不十分なのです。副作用を抑えたり、内服薬や自毛植毛を組み合わせた効果的な薄毛治療を行ったりするためには、薄毛治療の専門医にて診断を受けることをおすすめします。
薄毛対策としてミノキシジルを内服することは推奨されておりません。
そもそも日本では、ミノキシジルを降圧剤として認可していません。また、ミノキシジルの内服薬をAGAの治療薬として認可している国もありません。
一方、ミノキシジルの内服薬を医師が処方したり、個人輸入で入手したりすることは可能です。ミノキシジルタブレットやミノタブと呼ばれ、体毛が濃くなる効果があり重篤な副作用も報告されていないからです。
しかしながら、ミノキシジルタブレットを飲むと、心嚢液が貯留して心タンポナーゼという副作用を起こすリスクがあります。その結果、心不全が起こりやすくなると考えられます。
また、ミノキシジルを内服すると血流が良くなるため、出血しやすくなるというリスクもあります。
大変に危険なリスクがありますので、ミノキシジルを内服することはおすすめできません。
日本皮膚科学会が発表した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」において、『ミノキシジル外用を行うよう強く勧める。』と結論づけられています。
(男性型脱毛症:5%ミノキシジル,女性型脱毛症:1% ミノキシジル)
ミノキシジル外用の発毛効果に関しては、高い水準の根拠があります。
男性被験者393名 |
観察期間 48 週までのランダム化比較試験 脱毛部1cm2内の非軟毛数のベースラインからの増加 |
---|---|
プラセボ群 | 平均 3.9 本 |
2%ミノキシジル群 | 平均 12.7本 |
5%ミノキシジル群 | 平均 18.6 本 |
上記の通り、ミノキシジルを外用したグループは、ブラセボ(偽物の薬)を外用したグループよりも、明らかな発毛効果が実証できたと「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」で報告されています。
ミノキシジルを外用することによって、毛髪の育成を促進して薄毛を改善することができます。
ミノキシジルの外用薬には、毛髪の成長を促す効果と発毛を促進する効果があります。
頭皮にミノキシジルを直接塗布すれば、血管が拡張されて血流が良くなりますので、毛髪の成長が促されます。これにより毛母細胞が刺激されて、毛髪を作ったり成長させたりする働きが活性化されます。
ただし、即効性があるわけではなく、効果を実感できるまでには、3ヶ月から半年程度の時間がかかるのが一般的です。
また、ミノキシジル単体ではAGAの抑制効果はありません。そのため、AGA治療の内服薬であるデュタステリドやフィナステリドを併用することにより、効果的な薄毛対策を行うことができます。
ミノキシジルによって死滅した毛根が復活して発毛することもありません。すでに薄毛が進行してしまった場所に髪を生やすには、自毛植毛をするしか方法はありません。
ミノキシジルの外用薬には発毛効果があり、有効な薄毛対策のひとつです。しかしながら、ミノキシジルの外用だけで、薄毛を根本的に解決することは難しい場合が多いです。
そのため、薄毛治療の専門医と相談しながら、内服薬の併用や自毛植毛手術を検討すると良いでしょう。
ミノキシジル外用薬の主なメリットは以下の3つです。
それぞれを解説します。
ミノキシジル外用薬の主なメリット1つ目は、発毛を促進することができるということです。
ミノキシジルには血管を拡張して血流を良くする効果があるため、頭皮に塗布すれば髪に栄養が届きやすくなり、髪の成長と発毛が期待できます。
ミノキシジルの外用薬なら、医学的なエビデンスのある薄毛対策を行うことができます。
また、AGAの進行を抑制する内服薬(デュタステリドやフィナステリド)を併用することで、さらに効果的な薄毛対策が行えます。
ミノキシジル外用薬の主なメリット2つ目は、副作用のリスクが少ないということです。
副作用のリスクが皆無というわけではありませんが、薄毛対策に使われるミノキシジル外用薬であれば副作用のリスクは軽微です。
一方、ミノキシジルの内服については副作用のリスクが大きいため、日本皮膚科学会では推奨しておりません。個人輸入などでミノキシジルタブレットなどを入手することは可能ですが、心不全などのリスクが皆無とは言えません。
ミノキシジルの服用には、危険な副作用のリスクがあります。
ミノキシジル外用薬の主なメリット3つ目は、薄毛対策としては安価であるということです。
市販のミノキシジル外用薬は月5000円前後、クリニックが処方する場合でも月1万円前後で購入することができます。
決して安いとは言えない金額ですが、かつらや増毛術のような高額な対策よりは安価です。また、発毛効果のない一般的な育毛剤にお金をかけつづけるよりもコストパフォーマンスは高いと言えます。
内服薬による治療が心配な方にも、ミノキシジルの外用薬なら安心してご利用いただけます。
ミノキシジル外用薬の主なデメリットは以下の3つです。
それぞれを解説します。
ミノキシジル外用薬の主なデメリット1つ目は、AGAを改善することはできないということです。
AGAは男性ホルモンのバランスの乱れが原因です。一方、ミノキシジル外用薬は、血管の拡張と血流の改善による毛髪の成長と発毛の促進なので、AGAの抑制にはまったく効果がありません。
AGAは進行性の病気であるため、ミノキシジル外用薬による薄毛対策だけでは、薄毛が進行していく可能性が否めません。
薄毛治療の専門医に相談しながら、内服薬治療や自毛植毛治療を検討されると良いでしょう。
ミノキシジル外用薬の主なデメリット2つ目は、継続的に費用がかかってしまうということです。
ミノキシジル外用薬を使えば、毛髪の成長や発毛を促すことができます。しかし、ミノキシジルの使用をやめてしまえば、頭皮の血流が悪化して抜け毛の量がまた戻ってしまいます。
薄毛を改善するためには、継続的なミノキシジルの外用が必要になります。そのため、薄毛治療を続ける限り、継続的に費用がかかってしまうというデメリットがあります。
ミノキシジル外用薬の主なデメリット3つ目は、即効性がないということです。
ミノキシジル外用薬が効果を発揮するまでには、3ヶ月から半年程度の継続が必要です。使い始めた途端に発毛効果を実感できれば良いのですが、実際にはかなりの時間がかかってしまいます。
むしろ、ミノキシジルの外用をすると、毛周期がリセットされるために、一時的な脱毛(初期脱毛)が起こる場合もあります。薄毛が改善されると期待しているのに、抜け毛が増えてしまうことに驚く方もいらっしゃいます。
ミノキシジルに即効性はなく、一時的な脱毛が起きる場合もありますが、継続的に外用すれば徐々に発毛効果を実感できます。
3ヶ月から半年程度は、焦らずに長期的な対策としてミノキシジルの使用を行っていきましょう。ミノキシジルは根気よく継続することが大切です。
ミノキシジル外用薬については、重篤な副作用の報告は極めて少なく、比較的安全な治療薬といえます。
しかし、稀に下記のような副作用が見られる場合があります。
ミノキシジルの含有量が高いほど、副作用の割合は増える傾向があります。ミノキシジル1%の外用薬は利用者の約5%に、ミノキシジル5%の場合は利用者の約9%に副作用が見られます。
また、以下に該当される方は、ミノキシジルの使用を控えてください。
ミノキシジルを利用される場合は、医師の診断と処方を受けることをおすすめします。
ミノキシジル外用薬を使用する際の主な注意点は以下の3つです。
それぞれを解説します。
ミノキシジル外用薬の主な注意点1つ目は、医師の診断と処方を受けることです。
ミノキシジルを使用する際は、医師の診断と処方を受けることをおすすめします。ミノキシジルは市販されているものも多く、個人輸入することも可能です。しかし、偽造品を購入したり、副作用が現れたりするリスクがあります。
特にミノキシジルの内服については、日本皮膚科学会が推奨できないと結論付けています。くれぐれも自己判断でミノキシジルを服用することがないようにしてください。
ミノキシジル外用薬の主な注意点2つ目は、効果が現われるまでやめないことです。
ミノキシジルの効果が現れるには、3ヶ月から半年程度の期間が必要です。その間は、効果を感じることがほとんどないため、途中で治療をやめてしまう方も多いです。
しかし、髪の成長は1ヶ月に1センチ程度とゆっくりしたものであり、慌てても結果が早く出るものではありません。
3ヶ月から半年程度の長期間を要する覚悟の上、ミノキシジルの効果が現れるまで根気よく治療を継続することが大切です。
ミノキシジル外用薬の主な注意点3つ目は、AGAの進行は抑えられないことです。
ミノキシジルにはAGAの進行を抑える効果はありません。AGAの進行を抑えるには、デュタステリドやフィナステリドといった内服薬による治療を併用する必要があります。
また、ミノキシジルや内服薬には、すでに毛根が死滅している部分に毛髪を生やすことはできません。根本的な薄毛対策が必要な場合は、自毛植毛も併用する必要があります。
そのため、薄毛を本気で克服しようと思うなら、内服薬治療や外用薬治療だけでなく、自毛植毛治療までできるクリニックを選ぶことが大切です。
AGAは進行性の病気です。ミノキシジルによって一時的に毛髪が増えることはあっても、対処療法に過ぎずAGAの進行は止められません。
薄毛の悩みを根本的に解決するには、
上記の3つの対策をかけあわせることが大切です。
残念ながら、ミノキシジルだけで薄毛対策は完璧とは言えないという点をしっかりと押さえておきましょう。
ミノキシジルは発毛効果があり、薄毛対策に有効な治療薬です。そんなミノキシジルによる治療も含め、本気で薄毛対策をするなら自毛植毛の親和クリニックをご利用ください。
親和クリニックは、内服薬治療はもちろん、自毛植毛まで対応できる薄毛治療専門のクリニックです。
親和クリニックでは、無料相談を行っています。薄毛のお悩みや相談をぜひお聞かせください。遠方の方には、無料メール相談もご利用いただけます。
自毛植毛まで対応可能な親和クリニックなら、あなたの薄毛のお悩みに最適な対策をご提案することができます。
今回は、ミノキシジルについて解説しました。
ミノキシジルの外用は、薄毛対策に有効な手段のひとつです。ただし、偽造品を購入したり、副作用のリスクがあったりしますので、医師の診断と処方のもと利用されることをおすすめします。
また、ミノキシジルの内服については、日本皮膚科学会が推奨できないと結論付けています。心不全などを引き起こすリスクがありますので、自己判断でミノキシジルタブレットなどを服用しないでください。
ミノキシジルによる薄毛対策は効果的です。しかし、ミノキシジルによってAGAの進行を抑制することはできません。より効果的な薄毛治療を行うには、内服薬治療を併用したり、自毛植毛治療を行う必要があります。
薄毛にお悩みの方は、自毛植毛まで対応可能な親和クリニックへご相談ください。あなたにあった最適な治療プランを提案いたします。
相談は無料となっておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
親和クリニック 総院長
音田 正光
大学を卒業後、一般外科、消化管外科、乳腺内分泌外科の臨床、および分子生物学、腫瘍学の研究に約十数年従事。その後、植毛手術を開始。
最初の5年間はFUSS手術をメインに執刀。症例数は約1,000例を超え、その後はFUE手術を行う。FUE手術の症例数は約2,000例にものぼる。
平成20年、採取に動力パンチを用いたFUE手術に関する論文を執筆。この分野における先駆的報告と評価される。
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