[ このコラムの著者 ]
親和クリニック 総院長
音田 正光
大学を卒業後、一般外科、消化管外科、乳腺内分泌外科の臨床、および分子生物学、腫瘍学の研究に約十数年従事。その後、植毛手術を開始。
最初の5年間はFUSS手術をメインに執刀。症例数は約1,000例を超え、その後はFUE手術を行う。FUE手術の症例数は約2,000例にものぼる。
平成20年、採取に動力パンチを用いたFUE手術に関する論文を執筆。この分野における先駆的報告と評価される。
【ミノキシジルタブレットをおすすめしない理由】もっと安全で確実な治療法とは？
『ミノキシジルタブレットって薄毛に効果があるの？』
『そもそもミノキシジルって飲んでも平気なの？』
薄毛でお悩みの方の中には、ミノキシジルタブレットが気になっている方も多いでしょう。ミノキシジルタブレットは、多毛の効果があるミノキシジルを内服するための薬です。
しかし、結論からお伝えすると、ミノキシジルの内服はおすすめできません。副作用のリスクが高く、他にもっと安全で確実な治療法があるからです。
今回は、薄毛治療専門の親和クリニックがミノキシジルタブレットをおすすめしない理由について解説します。
この記事を読めば、ミノキシジルタブレットのリスクが理解でき、もっと安全で確実な薄毛治療を知ることができます。
目次
ミノキシジルタブレットとは？
ミノキシジルタブレットとは、多毛の効果があるミノキシジルを内服する薬のことです。
ミノキシジルは、もともと高血圧の薬として開発されました。血管を拡張して血流を促進し、血圧を下げる効果があります。しかし、副作用として多毛が見られたため、薄毛治療薬として転用されるようになりました。毛髪の栄養は毛細血管から運ばれるため、血流が促進することで薄毛が改善されることがわかっています。
ミノキシジルは、外用薬として頭皮に塗布して薄毛治療を行うのが一般的です。ミノキシジルの外用は、日本皮膚科学会がまとめた『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版 』においても、A（行うよう強く勧める）という高い評価を得ています。
しかし、ミノキシジルの内服については、D（行うべきではない）という評価になっています。なぜなら、ミノキシジル内服の有用性に関する臨床試験が実施されていないからです。
ミノキシジルタブレットを処方するクリニックもありますが、日本皮膚科学会がミノキシジルの内服は行うべきではないと評価しています。そのため、ミノキシジルタブレットを使った薄毛治療はおすすめできません。
また、ミノキシジルタブレットをネット通販や個人輸入で入手して服用する方もいますが、副作用のリスクが高く、偽造品である可能性も高いです。そのため、個人の判断でミノキシジルタブレットを服用することは絶対におやめください。
ミノキシジルタブレットをおすすめしない理由
ミノキシジルタブレットをおすすめしない理由は以下の通りです。
- AGA治療薬としてミノキシジルの内服承認している国はないから
- 副作用のリスクが高いから
- 日本皮膚科学会が推奨していないから
- AGA（男性型脱毛症）は完治しないから
- 薄毛が改善されない場合もあるから
それぞれを解説します。
AGA治療薬としてミノキシジルの内服を承認している国はないから
ミノキシジルタブレットをおすすめしない理由の1つ目は、AGA治療薬としてミノキシジルの内服を承認している国はないからです。
ミノキシジルは高血圧の薬として開発されたため、高血圧の薬として内服を承認している国はあります。また、AGA治療薬としてミノキシジルの外用を承認している国もあり、日本でも承認されています。
しかし、AGA治療薬としてミノキシジルの内服を承認している国はありません。そのため、個人の判断でミノキシジルタブレットを服用することは絶対におやめください。また、一部のクリニックでミノキシジルタブレットを処方する場合もありますが、AGA治療薬としての承認はされていませんのでおすすめできません。
副作用のリスクが高いから
ミノキシジルタブレットをおすすめしない理由の2つ目は、副作用のリスクが高いからです。
ミノキシジルはもともと高血圧の薬であるため、血管や心臓などの循環器に大きな影響を及ぼす危険性があります。
ミノキシジルタブレットを飲むと、心嚢液が貯留して心タンポナーデという副作用を起こすリスクがあります。心嚢液とは、心臓と心臓を覆う膜との間にある空間内に溜まっている液体のことです。心タンポナーデとは、心嚢液が大量に貯留することによって、心臓が圧迫される状態を指します。
心タンポナーデが発生すると、心不全が起こりやすくなります。心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身に必要な血流を送ることができなくなる恐ろしい病気です。最悪の場合、心不全で死に至ることもあります。
薄毛のお悩みは深く苦しいものです。薄毛をできるだけ早く治したいという思いから、ミノキシジルタブレットに興味を持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ミノキシジルタブレットには副作用のリスクが高いというデメリットがあります。
薄毛を治すために健康を損なうことは得策ではありません。実際に、ミノキシジルタブレットが身体に合わないという理由から、親和クリニックに相談に来る患者さまもいらっしゃいます。ミノキシジルタブレットは副作用のリスクが高いため、ミノキシジルの内服はおすすめできません。
日本皮膚科学会が推奨していないから
ミノキシジルタブレットをおすすめしない理由の3つ目は、日本皮膚科学会が推奨していないからです。
日本皮膚科学会がまとめた『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版 』では、ミノキシジルの内服をD（行うべきではない）と評価しています。
CQ14：ミノキシジルの内服は有用か？
推奨度：D
推薦文：ミノキシジルの内服を行うべきではない．
AGA治療薬としてミノキシジル内服は臨床試験が実施されていません。副作用のリスクとして、心血管系障害が生じる可能性があります。多毛の効果は認められるものの、利益と危険性が十分に検証されていないため、ミノキシジル内服は行わないよう強く勧めています。
クリニックによっては、ミノキシジルタブレットを処方される場合もあります。しかし、日本皮膚科学会も推奨していませんので、ミノキシジル内服による薄毛対策はおすすめできません。また、個人でミノキシジルタブレットを入手して服用することは、非常にリスクが高いため絶対におやめください。
AGA（男性型脱毛症）は完治しないから
ミノキシジルタブレットをおすすめしない理由の4つ目は、AGAは完治しないからです。
ミノキシジルタブレットを服用すれば、発毛効果は期待できます。しかし、ミノキシジルの効果は、血管が拡張された結果、毛根に運ばれる栄養が増えて毛髪が元気になるというものです。つまり、AGAは完治しません。フィナステリドやデュタステリドのようにAGAを抑制する効果もありません。
そのため、リスクを承知でミノキシジルタブレットを飲み続けても、薄毛が根本的に改善されることはありません。ミノキシジルタブレットは、効果に対してリスクが高いと言わざるを得ません。
薄毛が改善されない場合もあるから
ミノキシジルタブレットをおすすめしない理由の5つ目は、薄毛が改善されない場合もあるからです。
ミノキシジルタブレットを服用すれば、発毛効果は期待できます。しかし、それは発毛できる毛根が残されている場合に限られます。つまり、薄毛が進行して毛根が死滅している場合、ミノキシジルタブレットをどんなに服用しても発毛することはありません。
ミノキシジルタブレットを服用した結果、頭の薄毛は改善されず、体毛だけが濃くなってしまうという可能性すらあります。ミノキシジルタブレットは、すでに毛根が死滅した部分に発毛させることはできません。
ミノキシジルタブレットよりも確実な薄毛対策とは？
ミノキシジルタブレットのリスクがわかっても、薄毛を解決できなければ意味がありませんよね。そこでご紹介したいおすすめの薄毛対策が、『自毛植毛』です。
自毛植毛は、AGAになりにくい後頭部や側頭部の毛髪を、毛根の組織ごと移植する外科手術です。薄毛になった部分に発毛させることができるため、薄毛の悩みを根本的に解決することができる画期的な治療法です。
自毛植毛で移植した毛髪は、多くが生着して生え変わり続けます。自分の毛髪が伸びていくため、風合いが自然でバレにくく、洗髪や散髪はもちろん、パーマやヘアカラーなども楽しめます。
自毛植毛は、ミノキシジルタブレットのような一時的な薄毛の改善ではありません。AGAになりにくい毛髪は、移植後もその性質が引き継がれます。そのため、自毛植毛で移植した毛髪は、半永久的に生え変わり続けます。
ミノキシジルタブレットにはない自毛植毛のメリット
ミノキシジルタブレットにはない自毛植毛のメリットは以下の3つです。
- 副作用のリスクがほとんどない
- 長期継続的な努力が必要ない
- 症例が豊富で効果が立証されている
それぞれを解説します。
副作用のリスクがほとんどない
ミノキシジルタブレットにはない自毛植毛のメリット1つ目は、副作用のリスクがほとんどないことです。
自毛植毛は、自分の毛髪を移植するため、拒絶反応が起こる心配がありません。また、最新式の自毛植毛術では、メスで切らない低侵襲（身体の負担が少ない）な手術であるため、痛みや傷が残りにくく、ダウンタイムもほとんどありません。
自毛植毛専門の親和クリニックの場合、日帰り手術となるため入院は不要です。また、翌日にはクリニックで洗髪ができるほど、痛みや傷が少ない外科手術となっています。
自毛植毛なら、薬を飲み続けることによる体調不良の心配もないため、毎日を安心して過ごすことができます。
長期継続的な努力が必要ない
ミノキシジルタブレットにはない自毛植毛のメリット2つ目は、長期継続的な努力が必要ないことです。
ミノキシジルタブレットは、AGAが完治するわけではないため、薄毛を改善したいと思う限り、服用を続けなければなりません。また、薬による治療は、定期的な通院や朝晩の服用の手間が負担になるため、継続が難しいと感じる患者さまも多いです。
一方、自毛植毛は1回の治療で完了でき、その後の通院やメンテナンスは必要ありません。薬を飲んだり塗ったりする手間暇もなく、毎日がとても楽に過ごせます。長期継続的な努力が難しいと感じる方には、自毛植毛がおすすめです。
症例が豊富で効果が立証されている
ミノキシジルタブレットにはない自毛植毛のメリット3つ目は、症例が豊富で効果が立証されていることです。
ミノキシジルタブレットは、国内での臨床試験の結果がないため、安全性が立証されていません。厚生労働省はもちろん、AGA治療薬として認可している国はありませんので、ミノキシジルタブレットの内服はリスクが高い治療法といえます。
一方、自毛植毛は症例が豊富で効果が実証されています。親和クリニックでは年間1200件以上の手術実績があり、これまでに積み重ねた豊富な症例はホームページでは紹介しきれません。また、日本皮膚科学会のガイドラインでは、自毛植毛はB（行うよう勧める）という評価を受けています。
推奨文：男性型脱毛症には自毛植毛術を行うよう勧める．
ミノキシジルタブレットによる薄毛対策を行っている方、行うかどうかを検討されている方は、自毛植毛をぜひご検討ください。自毛植毛専門の親和クリニックでは、薄毛でお悩みの方のために無料相談を実施しています。
リスクが低く、効果が高い自毛植毛の治療プランを無料でご提案いたします。
ミノキシジルタブレットに関するよくある質問
ミノキシジルタブレットに関するよくある質問をまとめました。
ミノキシジルとミノタブの違いは何ですか？
一般的に、ミノキシジルはAGA治療の外用薬のことを指します。厚生労働省によってAGA治療の効果が認められていて、ミノキシジルを薄毛の患部に塗布することで発毛を促すことができます。
一方、ミノタブはミノキシジルタブレットのことを指し、ミノキシジルの内服薬となっています。発毛効果は認められるものの、AGA治療薬として承認している国は日本を含めてありません。副作用のリスクが高く、日本皮膚科学会でもD（行うべきではない）と評価されていますので、ミノタブを内服する治療はおすすめできません。
なお、個人の判断でミノタブを服用することは絶対におやめください。
ミノキシジルはなぜ認可されないのですか？
ミノキシジルの外用薬は厚生労働省が認可しています。一方、ミノキシジルの内服薬は認可されていません。AGA治療薬として承認している国もありません。
なぜなら、ミノキシジルの内服は副作用のリスクが高く、臨床試験も行われていないからです。
ミノキシジルはもともと高血圧の薬として開発されました。そのため、血管や心臓などの循環器に重大な影響を及ぼす可能性があります。自己判断でミノキシジルタブレットを服用すると、心タンポナーデを引き起こし、最悪の場合は心不全で死亡する可能性が考えられます。
ミノキシジルの内服は非常にリスクが高く、国の認可も取れていないため、ミノキシジルタブレットを服用することはおすすめできません。
ミノキシジルタブレットをやめるとどうなる？
ミノキシジルタブレットをやめると、発毛作用が失われ薄毛になっていきます。ミノキシジルタブレットには、薄毛の根本的な原因であるAGAに対する効果はありません。
そのため、ミノキシジルタブレットをやめると髪が薄くなっていきます。
ミノキシジルタブレットのリスクは？
ミノキシジルタブレットを内服すると、血管や心臓などの循環器系に影響を与えるため、非常にリスクが高く薄毛治療にはおすすめできません。
また、毛根が死滅した部分に発毛させることはできないため、薄毛が改善しないまま体毛が濃くなるという可能性もあります。
ミノキシジルタブレットはリスクが高いため、薄毛治療におすすめできません。
ミノキシジルは体に悪いですか？
ミノキシジルの外用については、まれに副作用を起こす可能性はあるものの、厚生労働省も認可しているため安全な治療薬といえます。ただし、必ず医師の処方のもと正しく使用することが大切です。
一方、ミノキシジルタブレットの内服については、厚生労働省の認可は無く、臨床試験も行われていないため、リスクが高く安全とはいえません。ミノキシジルタブレットは、血管や心臓などの循環器系に作用するため、個人の判断で使用することは絶対におやめください。
ミノキシジルの副作用が心配な方には、副作用のリスクがほとんどない自毛植毛がおすすめです。症例が豊富で安全性も高い自毛植毛なら、身体への負担が少なく、効果的な薄毛対策が可能です。
薄毛でお悩みの方は、リスクの高いミノキシジルタブレットではなく、自毛植毛をぜひご検討ください。
まとめ
ミノキシジルタブレットをおすすめしない理由について
今回は、ミノキシジルタブレットをおすすめしない理由について解説しました。
ミノキシジルの内服は、副作用のリスクが高いためおすすめできません。AGA治療薬として承認している国はなく、日本の厚生労働省も認可していないからです。ミノキシジルは、血管や心臓に作用するため、自己判断で服用することは絶対におやめください。
副作用のリスクが低い薄毛対策をするなら、自毛植毛がおすすめです。自分の毛髪を移植するため、拒絶反応はなく傷や痛みもほとんど残りません。
自毛植毛専門の親和クリニックでは、薄毛でお悩みの方のために無料相談を実施しています。無料相談では、症例を紹介したり薄毛を改善する治療プランをご提案いたします。どうぞお気軽にご利用ください。
おすすめコンテンツ
親和クリニック各院のご紹介
全国5院に展開。お近くのクリニックにてご相談を承ります。
×
×
